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前回は、①見積、②受注、③輸送手配、④出荷指図、⑤出荷・納品作業、⑥売上計上、⑦都度請求、出荷案内、⑧一括請求 の実際の販売管理業務の流れについてご説明しました。
①~⑦までは日々行う、日次業務で、⑧は通常月末に行う、月次業務です。

今回は、これらの販売管理を効率的に行うために必要な付帯業務のうち、台帳管理業務について説明します。
  1. 顧客台帳
    初回にご紹介した、販売管理の4つのポイント(いつ、誰に、なにを、いくらで) のうち、誰に を管理するための台帳です。
    顧客台帳には、顧客の会社名・部署名・担当者名や住所・電話番号等を管理するのはもちろんですが、それ以外に以下の情報の管理が必要です。
    • 取引先コード
      顧客を管理するための識別用のコードです。
      一部の業界では、共通の取引先コードが使われていますが、自社で独自のコードが使われるのが、まだ、一般的です。
      また、1つのコードで、顧客を特定できる場合と、複数のコードを指定しないと顧客が特定できない場合があります。
      たとえば、営業所コード+取引先コードの2つのコードが必要な場合です。
      複数の事業部がある大きな会社では、それぞれの事業部毎に顧客を管理しており、取引先コードもそれぞれが別々に管理している場合など にこのケースが発生します。 このケースは、なかなか市販のパッケージソフトでは対応できない、または、カスタマイズ費用が増える原因になります。
      また、複数の事業部が同じ会社や納品先に、商品を販売している場合には、本来は同じ会社や納品先なのに、事業部によって異なる取引先コードがつくことになり、全社的な管理の必要な財務・経理・物流部門等の管理が煩雑になる原因になりがちです。
    • 商流
      • 納品先
        商品やサービスのお届け先です。
      • 請求先
        対価の請求先です。
        納入先=請求先であることも多いですが、複数の拠点をお持ちの顧客の場合、商品やサービスは個別の店舗や営業所等に納品するが、請求は本社に一括して行う場合がよくあります。
      • 需要家
        需要家という用語はあまり一般的ではありません。
        2次店、代理店等と呼ばれる場合もあります。
        1. の納品先と、2.の請求先に位置する顧客のことです。
        たとえば、御社から見て請求先は、大手商社だが、商社の2次店として複数店舗(納入先)を持つ、スーパーマーケット等がある場合、スーパーマーケットの本部が、需要家になります。
        納入先には、商品やサービスと共に、納品書が提供され、請求先には都度請求書や一括請求書が提供されるので、相手先は御社に対しての債務の状況が把握できますが、 需要家からも、出荷案内書(金額入り、無しがある)をFAX等で送付するように求められることがあります。
    • 取引条件
      • 締日、支払い条件
        初回にご説明しましたが、販売管理が必要になる場合、顧客とは、掛売や分割払いで取引されるのが一般的です。
        顧客台帳にはどのような条件で顧客から対価の支払が行われるのかを登録します。
      • 納品条件
        顧客によっては、納品物の着時間指定や、パレットでの納品等の荷姿の条件が付く場合があります。

  2. 商品台帳
    販売管理の4つのポイントのうち、なにを、を管理するための台帳です。
    御社が取り扱っている商品やサービスを管理します。
    • 商品名、商品コード
      顧客に間違えなく商品やサービスと提供するためには、顧客と商品名や商品コードを共有することが重要です。
      • 商品名
        どの顧客にも同じ商品は同じ名前で販売するのが一般的ですが、同じ商品であっても、顧客によって名前が変わる場合もあります。
      • 商品コード
        業界で共通の商品コード(JANコード等)が使われる場合と、自社で独自に決めた商品コードを使う場合、もしくは両方を併用する場合等があります。
        また、1つのコードで、商品が特定できる場合と、複数のコードを指定しないと、商品が特定できない場合があります。
        原因は、取引先コードの場合と同じです。
    • 商品仕様
      商品の性能、品質、色、サイズ等です。
      これらが違うと、商品コードを変える場合と、商品コードは同じで、見積時や、受注時に、商品コードとは別に、性能、品質、色、サイズを指定することで、商品を特定する場合があります。
      このケースは、なかなか市販のパッケージソフトでは対応できない、または、カスタマイズ費用が増える原因になります。
      できれば、システム的には、JANコードの様に、1つのコードで商品が特定できる方が扱いやすくなります。
      また、後述しますが、在庫管理や、出荷作業の煩雑さも低減できます。
      実際には、商品がケース単位や箱単位で売買される場合は、コード化しやすいですが、繊維や電線の様に、長さで販売するもの、布やシートの様に、幅と長さ(面積)で販売するもの等の場合は、どうしても11コードでは対応しきれなくなることが多いです。
    • セット品
      複数の商品をセットにして、セット品として販売することも良く行われています。
      セット品の考え方は、会社により差異が大きく、このケースも、なかなか市販のパッケージソフトでは対応できない、または、カスタマイズ費用が増える原因になります。

  3. 価格台帳
    販売管理の4つのポイントのうち、いくらで、を管理するための台帳です。
    御社が取り扱っている商品やサービスの価格を管理します。
    会社や業種によっては、価格は見積または受注ごとに都度決定する場合も多く、価格台帳が無い場合もあります。
    また、価格が取引先や取引条件によって変わる場合も多く、価格決定のロジックが非常に複雑なケースも多々あります。
    さらに、セット品がある場合、セット品の価格決定の仕組みも複雑な場合が多々あります。
    このケースも、なかなか市販のパッケージソフトでは対応できない、または、カスタマイズ費用が増える原因になります。

  4. その他台帳
    これ以外に、一般的に以下の様な台帳の管理が必要になることが多いです。
    • 部門台帳
      事業部や、営業所を管理する台帳。
    • 倉庫台帳
      在庫を管理する場合や、保管料・荷役料を管理する場合は、倉庫台帳が必要になります。
      倉庫業務を効率化するためには、棚番号や置場の管理を行う場合もあります。
      この目的に特化した、倉庫管理のシステムも良く導入されています。
    • 社員台帳
      どの会社でも社員台帳は整理されていますが、販売管理をシステム化するためには、どの社員がどのような業務を行う権限があるのかを管理する必要があります。
      また、他の事業部の商品や顧客の情報が扱えないようにするための権限の制御が必要になる場合も多いです。
    • 仕入先台帳
      発注・仕入管理を行う場合は、仕入先の情報を管理する仕入台帳が必要になります。
    • 輸送会社台帳
      輸送依頼や、運賃管理を行う場合は、輸送会社台帳が必要なります。
今回は、付帯業務の内、台帳管理を中心にご説明しました。
次回は、その他の付帯業務についてご説明します。

弊社でも、上記の業務の流れに対応した、クラウド対応の販売管理サービスを提供しています。
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