前回は、販売管理を効率的に行うために必要な付帯業務のうち、
「仕入・入庫管理」について説明しました。
今回は、
「在庫管理」について紹介します。
「在庫管理」は仕入・入庫で倉庫に入庫してから、出荷等で倉庫から出庫されるまでの間の倉庫別の在庫を管理します。
在庫管理では、前回ご紹介した、仕入・入庫管理の4つのポイント(
いつ、
誰から、
なにを、
いくらで)の4つのポイントと同様に(
いつ、
どこに、
なにが、
いくつ)の4つのポイントがあります。
- いつ 在庫日
- どこに 倉庫
- なにが 仕入品、または自社生産した商品
- いくつ 在庫数量・個数
在庫受払
在庫は、上記4つのポイントを管理しますが、受払の考え方も重要です。
ある在庫日から、次の在庫日までの期間
(通常は、日次または、月次1日~末日を期間とします。)
における、入庫、出庫、在庫には以下の関係があります。
- 前残 期間の開始日の入出庫業務前の在庫 数量・個数
- 入庫 期間中の入庫数量・個数
- 出庫 期間中の出庫数量・個数
- 当残 期間中の最終日の入出庫業務後の在庫数量・個数
1.
前残 + 2.
入庫 + 3.
出庫 = 4.
当残
また、以下の関係もあります。
前期間の当残 =
当期間の前残
帳簿在庫・物流在庫
在庫受払の計算では、
入庫と、
出庫の日付が重要です。
入庫と、
出庫の基準の日付をいつにするかで、在庫数量・個数が変わります。
- 帳簿在庫 会計上の在庫数量・個数
- 入庫の基準 日=仕入日
会計上、仕入が計上される日
自社生産の場合は仕掛在庫から製品在庫に計上される日 - 出庫の基準日=売上日
会計上、売上が計上される日
棚卸で損が出た場合は棚卸の計上日
- 物流在庫 物流上の在庫数量・個数
- 入庫の基準日=入庫日
倉庫に入庫する日 - 出庫の基準日=出庫日
倉庫から出庫する日
帳簿在庫と、
物流在庫の在庫数量・個数の差異 は
以下の2点で発生します。
- 仕入日~倉庫への入庫日までの輸送中在庫
- 倉庫からの出荷日~売上日までの輸送中在庫
いずれも、輸送中在庫が発生するために差異が発生します。
輸送中在庫を、
積送在庫、
On Rail在庫 などと呼びます。
販売管理のパッケージソフトでは、在庫を
帳簿在庫として管理するものと、
物流在庫として管理するものと、その両方ができるものがあります。
また、
積送在庫の扱いについても、ソフトによって色々な扱いがあります。
最小在庫管理単位 SKU (Stock Keeping Unit)
在庫管理においては、
最小在庫管理単位 SKUの考え方が重要です。
これは、在庫管理の4つのキーワードの1つ、
なにをの事です。
概念的な説明ではわかりにくいので、飲料水を例にとって説明します。
飲料水の
なにをにあたる項目を、書き出してみます。
- JANコード 商品コードのJANコード です
- ケースJANコード 24本入りのケースに付けるJANコードです。
- 賞味期限 賞味期限です。
- ボトルNo. ボトル1本毎のユニークな番号です。
ボトルNo.を付けることは無いと思いますが、例として付けました。
上記の例での
最小在庫管理単位 SKUは、以下の様になります。
- SKU: JANコード+ボトルNo.
上記の2つの情報を管理すれば、ある倉庫の在庫は1本単位で特定できます。
- 属性: ケースJANコード、賞味期限
上記の2つの情報は在庫の特定には不要ですが、管理情報としては重要です。
超高級なお酒等を除いては、
ボトルNo.管理することはないと思います。
また、あなたが清涼飲料水の工場倉庫の管理者だとすると、在庫の管理はケース
単位なので
この場合の
最小在庫管理単位 SKUは、以下の様になります。
- SKU: ケースJANコード+賞味期限
上記の2つの情報を管理すれば、ある倉庫の在庫はケース別・賞味期限別に管理できます。
実際の在庫管理では、SKU単位の在庫管理を容易にするために、
在庫品にJANコードまたは、ケースJANコードのバーコードと賞味期限を印刷したり、
ラベルを貼ったりします。
ロット
最小在庫管理単位 SKUにおけるJANコード等の商品コード以外の情報
ボトルNo.や、
賞味期限の情報を
ロットと呼びます。
今回は、販売管理を効率的に行うために必要な付帯業務のうち、
「在庫管理」について紹介しました。
次回は、「引当・引落」について紹介します。
弊社でも、上記の業務の流れに対応した、クラウド対応の販売管理サービスを提供しています。
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